ミャンマーの大学は通信教育がスタンダード


 医学部や情報通信関連などの一部分野を除いて、ミャンマーの多くの大学では通信教育がスタンダードとなっている。軍事政権下、学生による民主化デモの抑制として当時の政権が多くの大学を閉鎖・郊外移転した名残が教育分野にも色濃く残っているためだ。大学の分布は、ヤンゴン36大学、マンダレー37大学、その他96大学となっている。

 

民主化運動を抑制するためにわざわざ遠隔に大学を開設

 大学分散化は学生に高等教育へのアクセスを提供したという側面もあるが、その背景には1988年の学生の反政府・民主化運動により、政府は、学生が政治運動をしないよう、一般大学の閉鎖と再開を繰り返してきた経緯があり、また言論などに多くの制限を課してきたことがある。その一方で、通常のキャンパス通学が不要な通信教育つまり遠隔教育大学(University of Distance Education)が 1992年に設置され、学習機会を求める入学者の増加が続いた。2000年に高等教育機関は全面再開されたが、歴史的に政治運動の発火点だったヤンゴン大学をはじめとするエリート大学の学部生は、学生の非政治化目的で、都市部から遠く離れた所に設けられたキャンパスにわざわざバスで通学するか、寮は意図的に作られなかったため、キャンパスの近くのアパートに住むかを選ばざるを得なくなった。

 都市部 のヤンゴン大学やマンダレー大学は大学院のみの大学になったため、どうしても、都市部で学びたい学部生は、学部が残されたヤンゴン外国語大学やヤンゴン経済大学、あるいは 分散目的のために設置されたダゴン大学、東ヤンゴン大学、西ヤンゴン大学などに進学した。このように、学生は長距離の移動という不便を強いられることになったため、学生の政治化を防ぐという政府の目論見は功を奏したものの、学生生活は非効率になり、教員も長距離の移動を強いられたことから運営コストが高くなり、結果として教育の質は低下することとなった。

学年暦

 学部  1学期(12 月 1 日~3 月31日)休み(4 月 1 日~5 月 31 日)
     2学期(6 月 1 日~9 月30日)休み(10 月 1 日~11 月 30 日)

 ※多くの大学で 10 ~11 月は遠隔教育大学の学生のスクーリングに使用されるため休みとなる。4~5 月の休みは夏休みに当たる。

 大学院 1学期(6 月1日~9 月30日)休み(10月 1 日~11月 31 日)
     2月期(12 月~3 月31日)休み(4 月 1 日~5 月 31 日)

 

高等教育機関の種別は管轄省で異なるが、

・修士課程以上を持つ大学 University
・学士課程までの単科カレッジ Degree Colledge
・基礎教員養成のための教育カレッジ Education Colledge  に分類される。

 基本的には、学士4年、修士2年、博士4年以上であるが、教育大学は学士5年となっている。

 
参考資料:NNA、ミャンマーにおける大学進学、留学プロセス分析(上別府隆男)

 



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