働かないオジサンが滞留 大企業を変える劇薬は副業 担当○○、××代理、△△リーダーであふれかえる職場


Wedge 9月28日(月)12時11分配信 【引用元:この記事の著作権は、Wedgeに帰属します。】

「日本のオジサンの働き方改革のキモは『副業』ですよ」

こう言い切るのは、ある大手情報通信企業に勤めるAさん(41歳)だ。

「ワークライフバランスとか残業削減とか在宅勤務とか、企業がいろんな取り組みしてるって記事見ますけど、要は勤務時間、残業時間を減らして余計な人件費払いたくないってことでしょ?」

Aさんには、大企業の矛盾は極限に達しているように見えるという。

大企業にはどこでも”オジサン”が大量に余っている
「大企業はどこも、ポストが足りなくて、意欲を失った“働かないオジサン”が大量に余ってます。かといって日本ではクビは切れない。出世というエサもなく、出世以外のモチベーション維持施策もない。そんな状況で社員たちを腐らせてどうするのか」

「もう昔のように処遇できない。成果出さない人にはポストも金もあげられない。それをはっきり明示して、その代わりに副業を推奨したらいいんですよ」

この企業では、バブル採用期を中心に、管理職世代の人間があふれかえっており、××代理、△△リーダーなどなど権限のないポストをやたら増やしているがそれでも処遇しきれず、上が詰まった30~40代の滞留が激しいという。

「入社した時は社長を目指していた」と言うAさんの意識を大きく変えたのは、脂がのっていた30歳のころの人事評価だ。システム営業で抜群の成績を挙げたAさんは、夏と冬、ボーナスでどちらもA評価を受け、社長表彰までされた。たが、ベースとなる人事考課がC評価だったという。

上司から言われたのは「調整だから」。やれ成果主義だ、業務管理制度だ、とバブル崩壊後の大企業は、制度改革には熱心だったが、肝心の「正当な評価」など、する気もない。

その後Aさんは東南アジアに課長職で派遣された。海外で成績を残せば、以前は帰国後に管理職登用されていたが、人事滞留でそれもなくなった。結局昇格できなかったAさんは、すでに手をつけていた副業の道を本格的に追求し始める。

仕事柄ITに強い。友人の協力も仰いで、まず夜街ポータルサイトを立ち上げ、広告集稿に成功。ある程度まとまった金を手にしたAさんは、美容サロンのオーナーになって、2年半で経営を軌道に乗せた。

 

年間で1000万円を超す副業収入

安定的収入が自動的に入ってくるようになったAさんは、土日休日を使って、コンサルティングを行ったり、FXなどの資金運用のノウハウも積み、合わせれば年間で1000万円を超す副業収入を得ているという。

「大企業の正社員という“資格”を維持することは、投資ポートフォリオ的に言えば、“国債投資”みたいなものです。住宅ローンも組めるし、クレジットカードもつくれるし、福利厚生もよい。9時~5時できちんと働けば、残業など一切しなくても、求められる成果くらいは余裕で出せますし。この資格を手放す気はないですね」

日本の大企業は、絶対に処遇しきれない、大量のオジサンを抱えてどこへ行くのか。右肩上がり成長を前提にした長期雇用や年功賃金が維持できないことは、とっくの昔にわかっている。残業を減らす、休みを取らせる、在宅など自由な働き方を導入する……といった表面的な「働き方改革」だけでは行き詰まるのかもしれない。

もう昔のように処遇できない。成果出さない人にはポストも金もあげられない。働かないオジサンは500万円。足りなければ副業してよ。それが嫌なら辞めてくれ。こういったことをはっきり明示することが、ニッポンの大企業改革の原点だ――Aさんの語るこの「劇薬」を、大企業と働かないオジサンたちはのみ込むことができるだろうか。

大江 紀洋

 



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