上海市が外国人ビザ、居留証、永久居留証の発行基準を大幅緩和


【引用元:この記事の著作権は、JETRO上海事務所に帰属します。】

 上海市は、上海市の科学技術イノベーション促進政策を後押ししようと、7月1日から上海市の出入国管理の改革措置を実施し始めた。外国人ビザ、居留証、永久居留証(永住権)の発行基準が大幅に緩和され、外国人材の吸収で科学技術イノベーションを促進することが期待されている。

<イノベーション促進へ外国人材の吸収狙う>
上海市共産党委員会は5月25日、「世界的影響力のある科学技術イノベーションセンターの建設加速に関する意見」を議決した(2015年6月1日記事参照)。同意見には、「政府機能の転換」「イノベーション人材の育成」「イノベーション・起業環境の整備」の3つを軸とした19項目の改革措置が盛り込まれている。

公安部は、上海市のこの科学技術イノベーション促進政策を支持し、上海市に外国人材を吸収するために、6月9日に「上海科学技術イノベーションセンター建設を支持するための一連の出入国政策措置」(以下、上海出入国改革措置)を公表した。また、上海市公安局は6月30日に上海出入国改革措置の具体的な方法となる「実施細則」を公表し、7月1日から上海出入国改革措置と実施細則を施行している。同改革措置により、上海市では外国人のビザ、居留証、永久居留証の審査基準が大幅に緩和された。改革措置の概要は以下のとおり。

 
<年収や所得税を参考に認定>

1.外国人材の認定制度の構築
上海市出入国管理局は外国人材の認定制度を構築し、外国人材として認定された外国人に対し、ビザ、居留証、永久居留証の発行基準を緩和する。外国人材は3つの方法で認定される。

(1)前年の上海市の平均年収・所得税を参考基準として外国人材資格を認定する。2015年の場合、上海市で得た2014年の年収が60万元(約1,200万円、1元=約20円)以上、上海市で2014年に納付した所得税が12万元以上の外国人を外国人材として認定する。

(2)中国共産党の組織部、人材資源・社会保障部、国家外国専門家局、上海市共産党委員会の組織部、上海市人材資源・社会保障局、上海市外国専門家局などの主管部門が特別に認定した外国人材と香港・マカオ特殊人材を外国人材として認める。

(3)上海市人材工作リードグループとイノベーション管理部門の認定で「科学技術イノベーション業種リスト(以下、リスト)」に入った企業が雇用、担保した外国人高級人材を外国人材として認定する。

なお、(2)(3)については、外国人の就労ビザ取得は上限60歳という年齢制限を受けない。

 
2.外国人材に対するビザ、居留証、永久居留証の発行

(1)前年の年収と税収の基準で認定された外国人材は、上海での連続就業期間が4年に到達し、中国滞在期間が毎年累計6ヵ月以上あれば、在職先の推薦で永久居留証を申請できる。

(2)上海市出入国管理局は、主管部門が特別に認定した外国人材、リストに入った企業が雇用、担保した外国人高級人材に対し有効期限5年の「人材」類の「就職居留証」を発行する。外国人材は就職期間が3年に到達すれば、在職先の推薦で永久居留証を申請できる。永久居留証の審査期間を180日から90日に短縮する。

(3)主管部門が特別に認定した外国人材、リストに入った企業が雇用・担保した外国人高級人材は、ビザなしで上海に到着した際、上海の入国検査場のビザ管理機構に即時に「Rビザ」(国が必要とする外国人高度人材、専門分野人材)を申請できる。ほかの種類のビザで入国した外国人材は直接、上海市出入国管理局で「Rビザ」へ変更を申請できる。

(4)これまでは外国人が家政サービス業に従事することは認められなかったが、今回の改革措置により、外国人材は永久居留証または就職居留証を得た後で、外国人の家政従業者を1人雇用し、外国人の家政従業者のために「私人事務居留証」を申請できるようになる。

 
3.普通の外国人に対するビザ、居留証の発行

(1)外国人留学生は2年以上の就職経験がなければ、就職居留証を申請できなかったが、今回の新措置により、中国の大学の卒業証明書とイノベーション・起業計画書(または起業証明書)で有効期間2年の「創業居留証」を申請できる。創業居留証の期限内に就職先を見つけた場合、就職居留証を申請できる。

(2)これまで外国人は国外にある中国大使館・領事館に「就職ビザ」を申請するしかなかったが、今回の新措置により、上海の入国検査場のビザ管理機構に就職ビザを申請できるようになる。

(3)上海で投資や起業をする計画のある外国人は「仕事許可書」を持たない場合、上海の入国検査場のビザ管理機構に「私人事務ビザ」を申請できる。入国した後で、上海出入国管理局に創業居留証を申請できる。

(4)これまで外国人として2~5年の長期間の就職居留証を申請できるのは企業の高級人材と投資者のみだったが、今回の改革措置により、2回連続して就職居留証を得た外国人は3度目から長期間の「就職居留証」を申請できるようになる。

また、上海市公安局は9月30日までに、全市20ヵ所の出入国手続きセンターに外国人の居留証、永久居留証の受理窓口を増設する計画だ。

(文涛)通商弘報 

 



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